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【更新】鬼滅の刃・泣きたくなるような優しい音の人間になるには(9/06更新)

【考察】鬼滅の刃はカインコンプレックスの物語?

こんにちは。人気マンガから聖書を解説するWEBサイト「いつかみ聖書解説」です。当WEBサイトでは【鬼滅の刃】の記事を複数取り扱いました。

【泣きたくなるような優しい音】〜炭治郎や煉獄さんのようになるには 【鬼滅の刃考察】竈門炭治郎は定言命法実践者?カントの「実践理性批判」と神の証明

いろいろ考える前に

あおい
あおい

【鬼滅の刃】って『カインコンプレックス』の物語でもあるんだなー

と簡素な感想を抱きました。(似た感想の方を探してみたら「いるはいるけど、少ない」という感じでした)

(よく探したら「カインとアベルの話を思い出した」という方は意外といましたね…)

で、その「カインコンプレックス」というのを知らない人は知らないというウワサを耳にしたので、今日はコラムにて

①「カインコンプレックス」の用語解説
②元ネタになった聖書のカインの物語
③【鬼滅の刃】ではだれがカインコンプレックスを持っているのか


といったことをかるーく紹介していきたいと思います。

▼ほかにも

【泣きたくなるような優しい音】〜炭治郎や煉獄さんのようになるには 【鬼滅の刃考察】竈門炭治郎は定言命法実践者?カントの「実践理性批判」と神の証明 聖書の「あのエピソード」のホントのトコロ、「あの人物」のリアルを知りたい…

カインコンプレックスとは

ユングによれば、兄弟の関係において差別的に親の愛情を受けた場合、それによって苦しんだ原体験は、兄弟以外の関係にも投影されていくという。このコンプレックスを負う者は、親の愛を巡る葛藤の相手となった兄弟と同じ世代の周囲の人間に対して憎悪を抱くこともあるという。これをユングは旧約聖書、『創世記』偽典『ヨベル書』の神話を基に「カインコンプレックス」と呼んだ。

一般的には、兄弟間の心の葛藤、兄弟・姉妹間で抱く競争心や嫉妬心のことを言うとされる。

(出典:Wikipedia「カインコンプレックス」より

カイン・コンプレックスはコンプレックスの一種です。

兄弟・姉妹への競争心と嫉妬が複雑に入り混じる心理であり、親の愛を独占したいという気持ちから生じます。カイン・コンプレックスも実際の兄弟姉妹だけではなく、それに類似した同僚や先輩・後輩の間にも起こることがしばしばあります。

このコンプレックスは単に競争心と嫉妬心が複雑に入り混じったものではありません。その奥に親や教師・上司を独占したいという気持ちが潜んでいます。旧約聖書のカインの物語が神の愛をめぐる愛憎劇であったのと同様に、親や教師・上司など重要な人物の評価をめぐって生じるコンプレックスなのです。

(引用:「臨床心理学用語事典
臨床心理学に関わる用語を分かりやすく解説」カインコンプレックス
より)

…ということで、元ネタになった「聖書」のカインの物語についてお話しします。

 

旧約聖書の「カイン」って?

アベルを殺すカイン(ピーテル・パウル・ルーベンス画)

「旧約聖書のカイン」とは、『カインとアベル』で有名な兄弟のおはなしです。

カインとアベルは、旧約聖書『創世記』第4章に登場する兄弟のこと。アダムとイヴの息子たちで兄がカイン(קַיִן)、弟がアベル(הֶבֶל)である。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教などの神話において人類最初の殺人の加害者・被害者とされている。

(引用:Wikipedia「カインとアベル」より)
聖書

¹人はその妻エバを知った。彼女はみごもり、カインを産んで言った、「わたしは主によって、ひとりの人を得た」。

2 彼女はまた、その弟アベルを産んだ。アベルは羊を飼う者となり、カインは土を耕す者となった。

3 日がたって、カインは地の産物を持ってきて、主に供え物とした。

4 アベルもまた、その群れのういごと肥えたものとを持ってきた。主はアベルとその供え物とを顧みられた。

5 しかしカインとその供え物とは顧みられなかったので、カインは大いに憤って、顔を伏せた。

6 そこで主はカインに言われた、「なぜあなたは憤るのですか、なぜ顔を伏せるのですか。

7 正しい事をしているのでしたら、顔をあげたらよいでしょう。もし正しい事をしていないのでしたら、罪が門口に待ち伏せています。それはあなたを慕い求めますが、あなたはそれを治めなければなりません」。

8 カインは弟アベルに言った、「さあ、野原へ行こう」。彼らが野にいたとき、カインは弟アベルに立ちかかって、これを殺した。

9 主はカインに言われた、「弟アベルは、どこにいますか」。カインは答えた、「知りません。わたしが弟の番人でしょうか」。

10 主は言われた、「あなたは何をしたのです。あなたの弟の血の声が土の中からわたしに叫んでいます。

11 今あなたはのろわれてこの土地を離れなければなりません。この土地が口をあけて、あなたの手から弟の血を受けたからです。

12 あなたが土地を耕しても、土地は、もはやあなたのために実を結びません。あなたは地上の放浪者となるでしょう」。

13 カインは主に言った、「わたしの罰は重くて負いきれません。

14 あなたは、きょう、わたしを地のおもてから追放されました。わたしはあなたを離れて、地上の放浪者とならねばなりません。わたしを見付ける人はだれでもわたしを殺すでしょう」。

15 主はカインに言われた、「いや、そうではない。だれでもカインを殺す者は七倍の復讐を受けるでしょう」。そして主はカインを見付ける者が、だれも彼を打ち殺すことのないように、彼に一つのしるしをつけられた。

16 カインは主の前を去って、エデンの東、ノドの地に住んだ

17 カインはその妻を知った。彼女はみごもってエノクを産んだ。カインは町を建て、その町の名をその子の名にしたがって、エノクと名づけた。

18 エノクにはイラデが生れた。イラデの子はメホヤエル、メホヤエルの子はメトサエル、メトサエルの子はレメクである。

19 レメクはふたりの妻をめとった。ひとりの名はアダといい、ひとりの名はチラといった。

20 アダはヤバルを産んだ。彼は天幕に住んで、家畜を飼う者の先祖となった。

21 その弟の名はユバルといった。彼は琴や笛を執るすべての者の先祖となった。

22 チラもまたトバルカインを産んだ。彼は青銅や鉄のすべての刃物を鍛える者となった。トバルカインの妹をナアマといった。

23 レメクはその妻たちに言った、「アダとチラよ、わたしの声を聞け、レメクの妻たちよ、わたしの言葉に耳を傾けよ。わたしは受ける傷のために、人を殺し、受ける打ち傷のために、わたしは若者を殺す。

24 カインのための復讐が七倍ならば、レメクのための復讐は七十七倍」。

25 アダムはまたその妻を知った。彼女は男の子を産み、その名をセツと名づけて言った、「カインがアベルを殺したので、神はアベルの代りに、ひとりの子をわたしに授けられました」。

26 セツにもまた男の子が生れた。彼はその名をエノスと名づけた。この時、人々は主の名を呼び始めた。

(旧約聖書「創世記」4章1節~26節)

また、カインの物語は『ヨベル書』にも言及されているとのことですが、こちらはカトリックやプロテスタントでは聖書のなかに組み込まれていない書物なので、今回は割愛させていただきます。

【鬼滅の刃】のカインコンプレックス考察

作中では、以下のキャラクターたちがカインコンプレックスを抱えていたように感じます。

善逸ー獪岳
不死川実弥ー不死川玄弥
縁壱ー巌勝
鬼舞辻無惨ー産屋敷耀哉
煉獄杏寿郎ー煉獄槇寿郎(父)
時任無一郎ー時任有一郎兄
「下弦の伍」蜘蛛鬼一家

だと思われます。

これに対して、健全な関係性をはぐくむことができている兄弟・同胞は

竈門炭治郎ー竈門禰豆子
胡蝶カナエー胡蝶しのぶー栗花落カナヲ
妓夫太郎ー堕姫(上弦の陸)
煉獄杏寿郎ー煉獄千寿郎
(弟)

かな、と思います。

 

余談

「煉獄」と言うのもキリスト教用語です。

こちらで解説してるので興味があれば。

煉獄、カトリック、プロテスタント【まとめた】『煉獄』があったらいいなと思うプロテスタントがカトリックと正教会の意見をまとめた

 

「神はなぜカインの捧げものを受けなかったのか?」を確かめるたったひとつの方法

さて、カインコンプレックス云々を考えるとき「そもそも愛情の偏りがなければよかったのでは…?」と思う方も多いのではないでしょうか。

カインコンプレックスの語源である、旧約聖書の中にあるカインの物語についても

なんで神はカインの捧げもの受けなかったの?

野菜嫌いなの?理不尽じゃない?

と言われることが非常に多く、聖書7大理不尽エピソードの一つです(いつかみ調べ)。キリスト教徒は基本的に『神』という存在は

石本
石本

人間の理解を超えたもの

だとしています。

カインは、アベルに比べて劣った献げ物を献げたわけではありません。献げた態度が悪かったわけでもありません。そういうことはここに何一つ語られていないのです。つまり、何故神様がカインの献げ物に目を留めて下さらなかったのかは謎です。(中略)
 カインがこのように、人生の謎に直面して、それによって兄弟を憎み、殺す罪に陥ったということを考える時に、私たちは、カインに同情を覚えます。自分も同じような立場に置かれたら、カインと同じことをしてしまうに違いないと思うのです。(中略)この物語は、善人アベルと悪人カインを比べて、カインのような弟殺しの罪を犯さないように気をつけよう、という勧善懲悪の話ではありません。聖書はこの物語を通して私たちに、自分がカインであり、カインの末裔なのだ、ということを意識させようとしているのです。

(引用:「カインの末裔」 牧師 藤掛 順一 (横浜指路教会)

しかし

創

神がこの世界を創った存在であるなら、この「世界の法則」から神を知ることができるのかもしれない

という希望のもと、さまざまに神学考察を積み重ねてきた歴史があります。

そのため「なんで神はカインの捧げもの受けなかったの?」という問いに対して、キリスト教徒は

『さまざまな神学解釈を教えてくれる派』
『究極的なことは人間にはわからないと言う派』

という2通りの返答があると思われます。

先人の神学解釈を学んで自分なりの考えを深めていくのも手ですが、「てっとり早くこのモヤモヤを解決したい!という方のほうが多いんじゃないかな」と思ったので、まとめてみました。

聖書の「あのエピソード」のホントのトコロ、「あの人物」のリアルを知りたい…

興味があったらご覧ください。

おまけ:日本神話の兄弟殺しと言えば、ヤマトタケル(日本武尊/倭建命)

当コラムライターは「兄が弟を殺すか」「弟が兄を殺すか」という点にあまり着眼したことがなかったのですが、そこに着目する方もいるのか!ということで…

 日本神話の「兄弟殺し」と言えば、「ヤマトタケル伝説」(日本武尊/倭建命)ですね。(この場合弟→兄殺し)

ヤマトタケル物語を基盤にした日本神話ファンタジー文学【白鳥異伝】についてもコラムで取り上げておりますので、こちらも興味があればどうぞです。

白鳥異伝の時代/地名を考察(三野は岐阜)。ヤマトタケル伝説にはないラストが逆にキリスト教的だと俺の中で話題

わたしもカインコンプレックスだったが…

これを書いているわたし自身も、非常に強いカインコンプレックスを持って思春期をすごした記憶があります(私は3人兄妹の末っ子で、とくにひとつ年上の姉とはよく比べられたため、ライバル心や羨望の思いがずっと胸の中にありました)。

ですので私は、カインコンプレックスをこじらせているほうに感情移入しながら読んでいます…。

私自身がコンプレックスから解放されたのは、「時がたって大人になって、兄や姉とも離れて暮らすようになり特に問題なくなった」…と言う感じなので、もし「いま、それでしんどい」という方に語るコトバを持たないのですが。

ただ、いま思えば「わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。」(イザヤ書43章4節)と言ってくれた神のことばがその苦しみに効いたのは確かだったな、と思います。

カインコンプレックスをこじらせてるキャラ達に感情移入してしまう方、自分もそういう苦しさを持ってる方、よければ『キリスト教の人間観(世界観)に触れる』ということを人生の選択肢に入れてやってください。

もしかしたら、私みたいに効くかもしれません。

 

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