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第10話「鋼の錬金術師」が好きな人はキリスト教がわかる?

鋼の錬金術師,聖書,キリスト教,等価交換,マスタング大佐

登場人物

兄目 葵(あにめ あおい)


マンガやアニメが好きな高校生。石本伝道師と一緒にウサギを捕まえたことがキッカケで、兎有留(とある)教会に出入りするようになる。石本伝道師にマンガの話をしていくなかで、自分のやりたいことに向き合っていくのだが……

 

万賀 拓海(まんが たくみ)


葵の幼なじみの高校生15歳。

マンガ家を目指す少年。熱血な性格。

 

石本 剛(いしもと つよし)


最近、兎有留教会に赴任してきた牧師見習いの青年。ウサギのラビーちゃんとミロを愛する34歳。

葵と拓海からマンガの話を教わりつつ、たまに聖書の話しもする。過去には新興宗教の幹部候補生だったらしく……

 

あらすじ

春。話すことが苦手なは、友だちができないまま高校生活のスタートを切ってしまった。落ち込んでいたところ、〈とある教会〉の牧師見習いの石本と出会う。大好きなマンガやアニメの話しならたくさん話せる葵は、石本にマンガを貸す約束をする。こうして葵は教会に足を運ぶようになるのだった。

 

第5話 鋼の錬金術師

 

とある教会、キリスト教会、青空、いつかみ、マンガ、聖書

 


「石本さーん」

 


「おや、拓海くん葵さん。よかった、コレが悪くなる前に渡せます」

 


「これは、柿?」

 


「裏から採ってきたんです。いつもお世話になってますのでお礼に」

 


「つまり……等価交換ですね!」

 


「トウカコウカン……?」

 


「えー、等価交換じゃないよ。おれ柿嫌いだもん」

 


「えっ、そうなんですか!すみません…あ!柿でパイ焼いてみたんですけど、それならどうですか」

 


「おお、まじか!それはうまそう!」

 


「じゃあみんなで食べましょう。どうぞ、牧師室の方に」

 


(スイーツ男子だわ……)

 

 


「んーこれはうまい!柿をスイーツに錬成するとは、石本さんやるな!」

 


「いえいえ、パイシートは冷凍ですし、簡単ですよー。ところで、レンセイとかトウカコウカンってなんでしょう…?」

 


「ハガレンで知った言葉なんだ」

 


「ハガレン?」

 


「鋼の錬金術師ってマンガです。アニメ化、映画化、2017年に実写映画化もした人気作なんです」

 


【鋼の錬金術師】ですか……聞いたことありますね。むかしオススメされたような…」

 


「えっ、だったら持ってくるよ!全巻あるから!」

 

 

ネタバレ注意

この記事はネタバレを含んでいます。ネタバレが嫌な方は原作を読んでからまた遊びに来て下さい!更新のお知らせを受け取りたい方は

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【鋼の錬金術師】はどんなマンガ?

 

◆ストーリー◆

 

幼い頃、亡くなった母トリシャ・エルリックにもう一度会いたいという想いから、錬金術において禁忌とされる人体錬成を行った兄エドワード・エルリックと弟アルフォンス・エルリック。

しかし錬成は失敗し、兄は左足を、弟は全身を失ってしまう。エドワードは自身の右腕を代償にアルフォンスの魂を錬成して、鎧に定着させることに成功し、なんとか一命を取り留めることができた。

身体と左足右腕を失うという絶望の中、兄弟は「元の身体に戻る」という決意を胸に、その方法を探すべく旅に出る。
(引用:ピクシブ百科事典より)

 

マスタング大佐とダニエル

 


「私は何と言ってもマスタング大佐が好きなんです!」

 

(画像:荒川弘「鋼の錬金術師」ロイ・マスタング大佐)

(画像:荒川弘「鋼の錬金術師」ロイ・マスタング大佐)

 


「おいおい、いきなり大佐の話しから始めるなよw」

 


「大佐…?」

 


「主人公をいじりながらもサポートする存在で、女好きなんですけどかっこ良いんです」

 


「ほうほう、おいしいキャラですね」

 


「軍に身を置きながらも、そのトップを虎視眈々と狙う野心家。しかもトップになりたいのは『自分の正義』のため。たまにアツくなりすぎるけど、それもあわせて非の打ち所がないんです!」

 


「そうなんですね。うーん、誰か似たシチュエーションの人がいたような…」

 


「俺はやっぱエドがいいけどな?強いし、前向きだし」

 


「主人公たちは『母親を生き返らせようとした』のですね。『人体錬成は禁忌』とあって、自分勝手なキャラクターにも見えますが」

 


「んー、エドもアルも自分のやった間違いをしっかり受け止めてるから、あんまり自分勝手なイメージはないかな」

 


「そうそう。自分のやったことを受け止めて進んでいく主人公たちで、かっこいいんです。まぁ大佐も同じですけど」

 


「やっぱり大佐に話を持ってくのな」

 


「…あ、そうだ!思い出しました、ダニエルです」

 


「ダニエル?」

 


「そのマスタング大佐と似たシチュエーションの人を思い出しました。『ダニエル』という旧約聖書に出てくる預言者です」

 


「その人が、大佐と似てるんですか?」

 


「と、僕は思いましたね。ダニエルは母国エルサレムが落とされた後、敵であったバビロン王のもとに仕えます。自分の意に沿わない組織に属しながらも、優秀な人材としてその地位を確固たるものとしていく姿が、ちょっと似てるのかなぁと」

 


「へえ、そんなおいしいキャラがいるんだ、聖書にも」

 


「旧約聖書の人物で、あんまり聞いたことないかと思いますが」

 


「あれ?旧約聖書がカトリックで新約聖書がプロテスタントだっけ?」

 


「ああ、よく間違えられるポイントで、カトリックもプロテスタントも同じで、旧約聖書も新約聖書も使いますよ」

 


「旧約聖書は、天地創造のことや人間の罪のこと、歴史や歌や預言などが書いてあります。そして重要なのが、各所にちりばめられた救世主の伏線。その伏線が新約聖書で回収されていくんです」

 


「旧約聖書の人たちは本当にさまざまで、見方によってはちょっとダメな人が多いかもしれません。いいところがあっても欠点や弱さとセット。そんな中でダニエルは、かなりイイ感じの人物かもしれません」

 

 

「与えよ」。等価交換を超える法則は、私たちの世界に適応するのか

 


「やっぱさー、メッセージ性のあるマンガっていいよな。等価交換、何かを失わずに手に入れるなんて都合のいいことはダメ、こういうのを自然と教えられるのはマンガのスゴいところだよな」

 

(画像:荒川弘「鋼の錬金術師」等価交換、人体錬成)

(画像:荒川弘「鋼の錬金術師」等価交換、人体錬成)

 


「あれ?でも最後は、エドもアルも『等価交換を超える新しい法則を探す』って言ってるから、等価交換が正しいわけじゃないんじゃ…」

 

(画像:荒川弘「鋼の錬金術師」等価交換を超える法則)

(画像:荒川弘「鋼の錬金術師」等価交換を超える法則)

 


「あっ」

 


「なるほど、『等価交換の法則』はスジが通ってるように思えますね。だからこそファンが多いんでしょうね」

 


「ただ、最後に主人公たちはそれを『超える法則』を見つけていこうとする…これもまた、僕らの中に『等価交換を超える法則』を求める心があることの裏返し、という気がしますね」

 


「うーん、でもなー。おれはちょっとキレイごとかなって思った」

 


「ほう?」

 


「おれは、等価交換ってすげー納得したの。人の命は代えられないってのは分かるんだけど、基本はギブ&テイクじゃない?」

 


「んー…」

 


「そうですね…答えになるか分かりませんが、聖書には『等価交換を超える法則』についても、書いてあったりするんですよね」

 


「マジっ!?」

 


「ここですね」

 

 

聖書

『また返してもらうつもりで貸したとて、どれほどの手柄になろうか。罪人でも、同じだけのものを返してもらおうとして、仲間に貸すのである。
しかし、あなたがたは、敵を愛し、人によくしてやり、また何も当てにしないで貸してやれ。そうすれば受ける報いは大きく、あなたがたはいと高き者の子となるであろう。』
(ルカによる福音書6章34節〜35節)

 

聖書

『与えよ。そうすれば、自分にも与えられるであろう。人々はおし入れ、ゆすり入れ、あふれ出るまでに量をよくして、あなたがたのふところに入れてくれるであろう』
(ルカによる福音書6章38節)


「へー」

 


「じゃあ、ギブ&テイクが当たり前ってわけでもないってこと?それか、聖書の時代の話し?」

 


「どうでしょうか。少なくとも、『ギブ&テイクしかない』ということはないのかもしれないですね」

 


「それに聖書には『互いに愛し合いなさい』(ヨハネによる福音書13章34節)とあるのですが、クリスチャンに限らずとも『互いに愛し合う』のいうのは、ギブ&テイクを前提にしたのでは無理な気がします」

 


「互いに愛し合う、かぁ」

 


「そうは言ってもなかなか出来ないじゃないですか。だから続いてこう……」

 


「あ!おれ帰るね!アニメはじまっちゃう!」

 


「あー…ここから大事なところが…」

 


「また今度ね!じゃ、おれ急ぐから!」

 


「お気をつけてー……」

 

 

人は自力で愛し合えるのか

 


「石本さん」

 


「あ、葵さんは帰らなくていいんですか?アニメは…」

 


「……今日は、お願いがあるんです」

 


「なんでしょう、僕で良ければ…」

 


「『与えよ』とか、『互いに愛し合う』とかって、強い人間しかできないんじゃないかって思うんです」

 


「ほう。それはどうしてですか?」

 


「私もエドみたいに強くてしっかりしてたら“人にたくさんあげよう”とか、持ってる力を手放してもいいとか思えるかもしれないですけど、リアルの私はそうじゃない」

 


「……」

 


「『与える』とか『愛する』なんて、結局はデキる人間の考え方なんです」

 


「私はデキる人間じゃない。でも、キリスト教はそんな私も変われるってことを約束してくれるんですよね?」

 


「……葵さん」

 


「信じれば、変わっていくことができるんですよね?私もエドやアルみたいに人の絆を大事にできるような性格にーーマンガの主人公たちみたいに、変わっていけるんですよね?」

 


「聖書をーーキリスト教のことをちゃんと教えてください。知りたいんです、私」

 


「ーーそんなこと言っていただけると思ってなかったので驚いていますが」

 


(どきっ)

 


「嬉しいです。モチロン喜んでお話ししますよ」

 


「!」

 


「基本的なことは、4回くらいでお話しできます。曜日を決めるかどうするかーー」

 


「はい、えっと、じゃあ…」

 

 

 

 

ーーこうして、少女は伝道師と聖書の学びを開始した。

少女の人生は、ここから大きなうねりに入っていくことになるーー

 

 

 

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【鋼の錬金術師】は、紙でじっくり読むのに向いているマンガだと思いますが、スマホの方が読みやすい方もいらっしゃると思います。スマホから読めるところを探しておきました。管理人は単行本で読んでました。

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ハガレンのアニメには2種類あります。2002年~2003年に放映されたものと、2009年~2010年の【鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST】です。

個人的には2002年のものは原作と大きくかけ離れており、特筆して面白いとも感じなかったので2009年版のでよいかなと思っています.…。dアニメストアには2009年【鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST】が取り扱われています!

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