何やら「ヴァチカンのエクソシスト」(映画版)で活躍した悪魔というのがアスモデウス(アスモダイ・アシュメダイ)だったらしいので、彼が登場するユダヤ民話の動画を集めていきます。
ユダヤ民話ではなんだかんだ人間と仲良しで憎めない役どころが当てが割れている印象のアスモデウス。ユダヤ世界での扱われ方とキリスト教世界での扱われ方の違いがありそうな印象です。知らんけど…
目次
ここから始まるアスモデウスー旧約聖書外典「トビト記」
▽「トビト記」概観
『トビト記』(Book of Tobit)は、捕囚の地に生きたトビトの物語。『トビト記』は教派によって扱いに違いがあり、ユダヤ教では外典として扱い、カトリック教会と正教会では旧約聖書続編(または第二正典)に加えている。また、プロテスタントでは聖書としてではなく、文学として扱っている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%93%E3%83%88%E8%A8%98
▽「トビト記」あらすじ
アッシリア捕囚で連れていかれ、ニネベに暮らすナフタリ族のトビトは善行を積んでおり、ある日、危険を顧みず殺されたユダヤ人の死体を埋葬した。穢れを嫌って庭で寝ているとすずめの糞が目におちて失明してしまう。さらにささいなことで妻をも疑ったことを恥じ、トビトは死を願う。同じころ、悪魔アスモダイのせいで夫たちが次々に初夜に死んでしまうことで悩む女性サラも死を願っていた。神はこれを聞いて天使ラファエルを差し向ける。その後、紆余曲折を経て、息子トビアの尽力でトビトの目はみえるようになり、トビアはサラについていた悪魔を追い出してサラと結婚した。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%93%E3%83%88%E8%A8%98
返り討ちに遭うアスモデウスーユダヤ民話「良い妻を見つける者は幸福を見つける」
▽あらすじ
ある商人は賢人で、トーラーをよく学ぶ人だった。彼には息子がいたが、彼は商売の運にめぐまれていなかったことが星読みによってわかっていた。なので商人は息子を商人にならせまいとするが、息子はどうしても商売をあきらめられず、一人で行商に出る。
青年は砂漠で行商人の一団と出会ってしばらく行動を共にするが、安息日になったのでひとり一団を離れて安息日を守ろうとする。砂漠にシナゴーグを見つけたのでそこに入ると、そこでは安息日のミサが行われていたが…なんとそれは悪魔アシュメダイ(アスモデウス/アスモダイ)を奉るミサであったことがわかった。
アスモデウスに忠誠を誓い、酒を飲まされそうになった青年だったが、賢人であった父の教えを思い出し、「シェマ・イスラエル!」と叫ぶことでアシュメダイの誘惑を跳ね返す青年。
彼はアシュメダイを返り討ちにして縛り上げ、運勢がわかるというアシュメダイに自分の運勢を変える方法を聞き出す。(なんでも、運勢の良い娘と結婚すると運勢が変わるのだという)青年は自分の運勢を上げる女性の居場所をアシュメダイに占わせ、彼女のもとに行き、彼女と結婚した。
そして商人として成功するようになった。
(参考:「ユダヤ民話40選 (1980年) (原語翻訳による世界の民話集)」)
神の許可でソロモン王と入れ替わって後宮でやりたい放題するアスモデウスーユダヤ民話「ソロモン王とアスモダイ」
▽あらすじ
瓶に詰めて流されていたアスモデウス「アスモダイと狐」
▽あらすじ
カインの末裔を名乗る男を地下から引き出したけど戻せなくなったアスモデウス「双頭の男」
▽あらすじ
・ソロモン王の前でカインの末裔を地下から引き出してみせる(でも帰せなくなる)
・タルムードを学び、やたら法律順守しようとしている様子
などなど
もしかして:アシュメダイ(エデンの園の木の実の民話より)
アノンをエデンの園に招き入れた(?)小鬼、アシュメダイではないかな…と思いました、(筆者の勝手な妄想です)。ユダヤ民話でアシュメダイが「小鬼」だと表現されているのを見たことがあるので…。
おまけ~現代のエクソシストのもとに現れるアスモデウス
▼言及している書籍
おまけ②
へブルの宗教にときどき現れる邪悪な群小の霊たちは他の文化にみられるこの種の霊と似かよっており、ほとんどはカナンに起源をもつ。疫病、害虫の発生、飢饉など、単一の悪の化身もあった。このような自然のデーモンは、一部は固有のものであり、一部はカナンとかメソポタミアからきた(レシェプという病名はカナンからそのまま伝わった)ものである。セイリムは毛むくじゃらで山羊に似ている。リリトとその手下は世界中をまわって、男を誘惑しこどもを殺そうとする。その他の女性のデーモンで夜うろつきまわって睡っている男の首を締めるものもいた。トビト書にはアスモダイオスという悪例が登場するが、この名はイランのイーシュマディーヴァからきたかもしれない。ただし悪霊群の王というイーシュマディーヴァの役割をひきついでいるようではない。
下記紹介書籍 p.212 より