栗林輝夫「日本民話の神学」から始まったムーヴメントがちょっと大きくなっているのでうれしくなって盆踊りをすることにしました。
目次
ことの発端は栗林輝夫 著「日本民話の神学」
①民話・昔話愛好家、説話研究者、民俗学徒的な属性を持つ方々が複数名(2名?)が栗林輝夫「日本民話の神学」を読む。(2025年始)
②第五章「意外な知らせ・じつは桃太郎は女だった」(p.221~)についての疑問を感じた一人が、典拠を確認しはじめる。(2025年1月)
③複数名の方が文献&現地聞き取りを実施してくださっている。(2025年2月)
栗林輝夫の「女版桃太郎」の取り上げ方
ところでこれからお話するように、讃岐では桃太郎がじつは男ではなく女だった、ということを皆さんはご存知でしょうか。
(栗林輝夫「日本民話の神学」日本基督教団出版局,1997年,p.222)
讃岐に伝わる桃太郎は実に女の英雄物語なのです。
(栗林輝夫「日本民話の神学」日本基督教団出版局,1997年,p.223)
さて何にもまして興味深いのは、この讃岐版の桃太郎話が、女が男をとおしてではなく、女自身によって救済されることを語っている点です。つまり、女がひたすら男による救済を待ち望むのではなく、同性によって解放される。男の桃太郎にではなく、女の解放者によって救い出される。もちろん讃岐の土地が男尊女卑のなの風習のないところだなどと言うつもりはありませんが、この桃太郎話は、女によって女たちが救い出され、さらに抑圧されていた村落共同体全体が解き放たれるという、女の英雄物語なのです。
(栗林輝夫「日本民話の神学」日本基督教団出版局,1997年,p.226)
「日本民話の神学」の参考文献欄ではこの女桃太郎説話の参考文献の明記がなく、辿れない状態から始まっています。
「「日本民話の神学」の問題は『女桃太郎』のみとは言ってない(意訳)」というご指摘もありました。このような形になってしまったのは、ひとえに当コラムライターの力不足です。
栗林輝夫「日本民話の神学」についは別トピックだと認識しましたので別途で記事にまとめました。不誠実な動き方しかできず、本当に申し訳ありません。→https://itukami.lampmate.jp/nipponminwanoshingaku
「香川の桃太郎は女」なのか~たぶんそうでもない(2025年2月時点)
栗林輝夫は「讃岐の桃太郎は女だった」として、それをもとに論を展開しているが、現在の香川県で『桃太郎説話の主人公の性別が女性』の物語が優勢かというと、そうでもないっぽい。
詳細は2025年6月イベントで!!
このあたりについて文献調査~聞き取り調査してくださったゲッター・ショーンさんが、女桃太郎トピックについて語るイベントがついに開催されるそうです。