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「運命の石」は旧約聖書ヤコブが枕にした石…つまりスコーンの由来はトーラー~天使の梯子の夢あたり

スコーンの由来は諸説あるそうですが、その有力な説のうちのひとつに「運命の石」の形を模している、という話があるそうです。

名前の由来は、(1) スコットランドの古いことばゲイル語のSgonn(ひと口大)から来ているという説と、(2) イギリス・スコットランドのバースにある「スコーン城」の歴代国王の戴冠式に使用された椅子の土台の石がThe Stone of SconeまたはThe Stone of Destiny(運命の石)と呼ばれ、それに由来するという説がある。後者の説が有力。そのため、スコーンは、石の形に焼き上げられることが多い。

引用:猫井登「お菓子の由来物語」p.91

(※スクーンの石のレプリカ写真。タカナシミルクウェブサイトより)

そしてこの「運命の石」というのが、スコットランドのナショナリズムに大きくかかわる代物でありながら、その起源を旧約聖書に求ることができるシロモノなのだそうです。

お菓子の起源について調べていたら、思わぬおもしろい話を知ることができました。このコラムでは、この話題について少しだけ深堀りしてみたことを書いていきます。

▼スコーンを深堀したきっかけ

「運命の石」は旧約聖書でヤコブが枕にした石~べテルの地で夢見た天使のはしご

その一方で運命の石には、ヤコブが枕にしたといわれているように、そもそも遠いパレスチナにあって、その後エジプトに現れ、スペイン、アイルランドを経てブリテン島北部の地にやってきたという、なかなかに壮大な伝説があります。

桜井俊彰 著「スコットランド全史「運命の石」とナショナリズム」」2022年,p.32

実はこの話は、前述のフォーダンやバウアーの年代記には載っていません。これを記したのはセント・オールバンズ大聖堂(東イングランド・ハートフォードシャーにある大聖堂)のウィリアム・リシャンガーという、年代記編集者で聖職者だった人物です。リシャンガーは一三世紀後半ごろから一四世紀前半にいくつかの年代記を著しましたが、そのうちのChroniaca et Annaleという文献にこの話があります。

 リシャンガーが生きた時代には、運命の石はイングランドに運ばれ戴冠の椅子のなかに組み込まれてウェストミンスター・アベイに置かれていました。ですからイングランドにおいても、不思議な力をもつとされる運命の石のことは、急速に知られていっただろうと想像できます。そして少なくとも一六世紀後半ごろには、『旧約聖書』「創世記」の中でヤコブが枕にした神宿る石こと運命の石であるという伝説は、イングランドにおいて広く知られていたそうです。

同上 pp36-37

 ※マーカーは当コラム筆者によるもの。

せっかくなので聖書も

該当の聖書箇所:創世記28章(新共同訳)

「創世記」全体像を知りたい方はこっちも
(忙しい人向けだが素人向けとは言ってない動画)

この話を知ったとき、私も「そもそも、べテルにあった石がなんでエジプトまで移動したと考えられておるのか…?」と思ったのですが…桜井氏的にはこのあたりの話は「伝説だから整合性はなくて良い」としつつ、『ヤコブの息子のヨセフがエジプトに同族を招いた際に、運命の石もエジプトに運ばれてきたと考えればいいのです』、と述べます。(pp.37-43)

「じゃあ出エジプトしたときにモーセたちが持って行かんかったんかいな?」ということも疑問に思いましたが、これまた桜井氏の考察が光りだします。

モーセが「運命の石」を持って出なかったのは、ユダヤの民自身がこの石の所有にこだわらなかったのではないか、と考察。(14世紀に書かれた詩によるモーセの心情から逆算)

モーセが出エジプトするあたりで、ギリシャから来た「ゲイゼロズ」と、ファラオの娘「スコゥタ」(伝説ではこの人たちがスコットランド人の祖先となる)もなんやかんやあって新天地を目指してこちらも出エジプトしてスペインへ出ていき、このとき「運命の石」を持って行った…という感じで考えると面白いのでは?ということでした。

そこからスコットランドのナショナリズムを象徴する存在になるなるまでこれまた色んな変遷があるわけですが…そっちが気になる方は書籍をお読みください!このコラムではとてもまとめきれません…

とにもかくにも、今日の日本でもすっかり定着したイギリス式のスコーンは、元をたどればキリスト教徒たちが「旧約聖書」と呼ぶ(ユダヤ教徒やイスラム教徒にとっては「トーラー」「タウラー」)話に行きつくという説もある、というわけです。

※「運命の石」の起源をパレスチナに求めない説もあります(同書籍p.)。ただ、桜井氏はこっちのほうが面白いということでこっち推しのようです。

♪天使のはしごを見かけたからにゃ、次の休みはアフタヌーンティー

「日本でもすっかり定着」とは書きましたが、やっぱりアメリカ式スコーン(三角形のヤツ。スタバとかでよく見る印象)の方が身近な印象があります。

イングリッシュスコーン、「作りたい、食べたい」とは思いつつも、なかなか機会をつかみ損ねている…

そんな方も一定数いるのではないでしょうか?

そんな方は

あおい
あおい

天使のはしごをみかけた次の休日にはイギリス式のスコーンでちょっとリッチにアフタヌーンティーをやる

みたいなリズムを作っちゃうのはどうでしょう?

アブラハム宗教に帰依する必要のない方も、帰依している方にとっても、なかなか悪くない提案なんじゃないかと思ったのですが。

おまけ①クロテッドクリームは生クリームから作れる…!

田舎だとなかなか入手しづらいのが「クロテッドクリーム」。しかし!なんと!生クリームから作れるらしいのです。

作り方はオーブンを使ったりレンジを使ったり湯煎をしたりといろいろありますが、とにかく「作ろうと思えば作れる」ということの安心感が一番大事!だと思ったので、紹介まで。

おまけ②スコーン作ったらミルクティー淹れる元気ない問題

「スコーン作ったらミルクティー淹れる元気ない」は、狭い台所でスコーンを作る私がいつも遭遇する事態です。

そんなとき助けられたのが、市販のミルクティー。私は「紅茶花伝」と「ジャワティーミルクティー」を飲み比べてみたのですが…スコーンに合うのは「ジャワティ」の方だと判断!ってことでこちらをお勧めしておきます!

※「紅茶花伝」は甘めなので、そのまま楽しむのにいい感じ。ジャワティミルクティー」は茶葉のかおりがしっかりあって、スコーンと相性がとても良きでした。