兄目 葵(あにめ あおい)
主人公。学校でマンガの話しをしすぎて、孤立してしまった15歳。石本伝道師と一緒にラビーちゃんを捕まえたことがキッカケで兎有留(とある)教会に出入りするようになる。石本伝道師とマンガの話をしていくなかで、自分のやりたいことに向き合っていく。新しい予感に胸をおどらせ始めた葵はスマホを手に入れYouTube発信を始めたのだが、住所をさらされてしまう。(初登場:プロローグ)
万賀 拓海(まんが たくみ)
葵の幼なじみの高校生15歳。マンガ家を目指す少年。熱血な性格で、葵とは真逆に人目はあまり気にしない。ただ創作のことだけは世間の意見に左右されてしまうこともあるようだ。サブカルのたしなみとして聖書を知りたいと思っている。(初登場:第3話けものフレンズ)
石本 剛(いしもと つよし)
最近、兎有留教会に赴任してきた牧師見習いの青年。ウサギのラビーちゃんとミロを愛する34歳。葵と拓海からマンガの話を教わりつつ、たまに聖書の話しもする。人当たりのよい青年だが、過去の詳しい話しはあまりしないので謎に包まれていると言えなくもない。(初登場:プロローグ)
ラビーちゃん
石本の飼っているミニウサギ。ミニといってもウサギの中では最大級に大きくなる種類。実は人間の言葉がわかる(しゃべることはできない)。性別はご想像にお任せ。(初登場:プロローグ)
第18話 闇
\〜♪/
〈おい、今日学校休んだのか?あのコメントのせいか?〉
〈くそ、住所なんてさらしやがって、どこのどいつだ…!〉
「何が起こるのかな…?」
「…聞いた話だと、家にカラーコーンが送られてきたり」
「え、カラーコーンくらいなら…」
〈毎週送られてきたら?〉
「こ、困る…!」
〈あとは宅配ピザを勝手に注文されたり、勝手に代引きで荷物が送られてきたり…〉
〈ストーカー、とか〉
「--!」
〈とりあえず、おばさんにはちゃんといった方が良いぞ!〉
「でも…言ったらYoutubeなんてやめろっていわれちゃう。やめたくないし…」
〈〜〜〜だったら俺が一緒に話してやるから!今日おばさん帰ってくるのいつだ?〉
「17:30には帰ってるはず…」
〈おし、漫研切り上げて今から行ったらちょうどくらいだな。謎のピンポンとかあっても開けるなよ!俺はラインするから!〉
「(拓海って、こんなに頼れるやつだっけ…なんだかすごくうれしいかも…)」
「拓海…」
〈ん?〉
「…ん、なんでもない。待ってるね」
「(「ありがとう」って言わなきゃだよね。面と向かって言うのなんかはずかしいな…お母さんに話終わったら言おうかな…)」
「--天気悪いなぁ。天気予報当たんないなぁ」
「そういえば、石本さんのこと拓海には何て言おう…やばい人かもしれないって。でもあれが嘘だったら…いいや、でも何にもしてない人があんな風に言われることってある?どのみち近寄らない方がいいもんね……いや、でも……」
「拓海、まだかなー…お母さんが先に帰ってきちゃうかも…(窓の外をちらっ)」
「!あ、自転車でこっちきてる!」
「おーい、たくみー!」
「ちょっと遠いか…さすがに聞こえないよね(っていうか呼びかけてどうするんだ私…)」
「あれ?でも、あの勢いだとーートラックにーー」
「たく…!!」
「うわっ!!!!!」
キキキキキーーーーーっ!!!
ドンッッッ!!!
「------!!!」
ーぽつっ
「--あれ、雨…」
「天気予報では晴れだったのに、困りますね」
「(なんだか、今日は嫌なかんじがする。妙な天気だからかな。なんにもないといいけど・・・)」
「たくみッ拓海…ッなんでこんなことに…ッ」
「------」
「なんで、何を急いでたの…」
「可奈子、しっかりしろ…しっかりするんだ…っ」
「---(私の、せいだ)」
「(私のせいだ)」
「葵ちゃん…ありがとう、ご近所の人と一緒に救急車呼んでくれたんでしょ?」
「…(違う、だって、だって私のせいだもん。私が拓海に頼まなかったら、あの時間急いで帰ってくることなんてなかったのに)」
「(私のせいなのに…)」
「(こわくて言い出せない。おばさんにあやまらないといけないのに)」
ぱっ
「手術はうまくいきましたが…」
「ーー意識が…」
「戻らないーーー?」
「…はい…」
「ーーそんな…」
ーーーたくみの人生を、私が壊したーーー
「(---私が、壊したんだーーー)」
ざあああああーーーっ
→第19話「ともし火」に続く